『二平方メートルの世界で』 前田海音・文 はたこうしろう・絵 小学館
『二平方メートルの世界で』
前田海音・文
はたこうしろう・絵
小学館
たて約2メートル、はば約1メートル。その周りをぐるりと囲うカーテンの中が入院中の私の世界のすべて。…
北海道生まれの小学3年生の女の子がご自身のことを、はたこうしろうさんが挿絵を描かれた絵本。
家族への想いや、入院中の孤独感が伝わってくる。
1日でいいから薬を飲まなくてもいい日をください、、
たくさんの言葉を飲み込み、家族もまた言葉を飲み込んでいるであろうと想像する女の子。
ある日検査を待っている女の子がいつものようにベッドに横になり普段と頭の向きを逆にしてごろんと体の向きを変えた時、ベッドにまたがるオーバーテーブルの裏の「それ」が目に飛び込んできた…。
この二平方メートルの世界で
同じテーブルを使って過ごした
たくさんの誰かが
確かにここにいて
私に語りかけてくれた。
ひとりじゃないよって。…
作者の前田海音さんが小学校3年生の時に書いた作文がもとになっています。
「生きていることのすばらしさは
気づきにくいということを、わたしは知っている」
(絵本の帯の海音さんの言葉より)
明日のことがわからないのは、
病気があってもなくても同じ。
でも、いつだってひとりじゃない。