『わたしたちだけのときは』
　デイヴィッド・アレキサンダー・ロバートソン　文
　ジュリー・フレッド　絵
　横山和江　訳
　岩波書店

おばあちゃんの服って虹から作ったみたいにきれい。
「ねえ、どうしてそんなにきれいな色の、服を着ているの？」
「それはね…」

おばあちゃんが昔小さかった頃のお話をしてくれます。

「昔、私が、ちいさかったころ、…」
と話し始めてくれたおばあちゃん。

服、髪の長さ、話す言葉、いっしょにいる人まで、、、

この絵本は、カナダで本当にあった出来事をもとにしていると解説にあります。

家から遠く離れた学校へ行かされた時、どの子も全く同じ寂しい色の服だった。
「私たちはあらしのひの、くものように、いっしょくたにされたように感じたんだ。」
だから、

「わたしたちだけのときはね。

寂しいいろのふくにきれいな葉っぱをたくさんつけて色とりどりにしたんだ。

そうするとしあわせなきもちになれたから…」

おばあちゃんの子どもの頃の意地らしい小さな抵抗の物語。