『いつまでも大切なもの』 ヘルヤ・リウッコ=スンドストロム 文・陶板 稲垣美晴 訳
『いつまでも大切なもの』
ヘルヤ・リウッコ=スンドストロム 文・陶板
稲垣美晴 訳
ぬいぐるみのお話、猫のお話、そして洗濯機のお話と、3つのお話からなる1冊の絵本です。
タイトルの『いつまでも大切なもの』が、お話それぞれから伝わってきます。
どのお話も、日常の中に非日常が溶け混むような。日本語訳の表現も優しく耳に心地よく、まるで幼い子が眠る前にお話してもらう時の感覚のような、ゆったりした気持ちになります。
猫は雲のベッドにもどって考えました。
「きっと私がいなくなったから、みんな悲しんでいるんだろうな」
それから、眠りにつく前に、もう一度考えてみました。
「みんなに、どういえばわかってもらえるだろう……。私はもうもどらない。だって雲のまくらがすごくふんわりしていて、ここにいると気持ちよく、幸せに眠れるんだもの……」
(2話目『青い天国へ行った猫』本文より)