『しかえししないよ』
　日野原重明　詩
　いわさきちひろ　絵
　毎日新聞出版

八十年以上医療に医師として従事し、生と死を見つめ命の尊さを感じ、広く愛と平和を訴え、子供たちに命の大切さを語ってきた医師、日野原重明さん。

日野原さんが、どうしても伝えたかったというメッセージがギュッと込められている詩画集です。

一編一編、いわさきちひろさんの挿絵と共に、静かに温かく心に沁みてきます。

詩が十二編と、読者のみなさんへという後書きの文章で成っています。
その中の一編より。

「新しい友との出逢い」
どんなに齢をとってからでも
（本文より）

老いてからの
友との出逢いの素晴らしさを
あなたは体験しましたか

今までやったことのない
学習や遊びの交わりに加わり
老いを創ることを体験し

自分の中に潜む　遺伝子の芽を掘り出して
その芽が成長していくのを発見する喜びは
なんとうれしい感激でしょうか

そうした親しい友との出逢いは
決して偶然ではないのです

新しい交わりの学びの場に自分を投入するという
あなたの勇気ある行動が勝ち取った
実のある出逢いなのです

あなたの実りある第三の人生が
これから始まることが
あなたにはしっかりわかってくるでしょう
（本文のまま）

ぜひお手にとってご覧になっていただきたい
珠玉の一冊です。