『くまがうえにのぼったら』 アヤ井アキコ ブロンズ新社 27x22cm
『くまがうえにのぼったら』
アヤ井アキコ
ブロンズ新社
夜、子どもたちがもう寝ている頃、
おつきさまは顔を出し、お星さまはちらちらと瞬き、
そして、大きなくまは背の高い松の木に登り、
山葡萄の実を見つけてぱくりとかぶりついています。
ところが、松の木は、あまり嬉しくなかったのです。
これ以上、くまが上まで登ってきたら、
枝が折れてしまうから。
我慢できなくなった松の木は、
根っこから幹のてっぺんまでしならせて、
バネのように、
くまを跳ね上げたのでした。
すると、びょーん と、
くまは空の彼方まで
飛んでいきます。…
静かな森の夜のお話かと思いきや、
くまは松の木に飛ばされてお話は急展開し、
物語は大きく動き始めます。
1つのお話の中での、
スケールの大きさの変化が面白いです。