ちいさな くれよん 篠塚かをり 作 安井 淡 絵 金の星社 すずき出版 28×21cm
「ちいさなくれよん」は1979年に初版発行されました。
作者の篠塚かをりさんのお言葉がこの本の表紙の裏に書かれてあります。
途中抜粋
「物にも生命があり、それぞれに使命を与えられてこの世に存在していると考えれば、自ずと物を大事にし、最後まで大切に使う気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。
捨てるのは待ってください、僕たちまだ使えますよ
と叫んでいるに違いありません。」
折れて短くなった黄色のくれよん。
屑籠の中に捨てられました。
ぼく、まだ描けますよ
まだきれいにぬれますよ
大きな声でよんだけれど、
誰も拾いにきてくれません
よーし、ぼく一人ででて行こう!
ぼくはまだまだ役に立つんだ
黄色いくれよんは、縁側の向こうの広い世界に
行ってみようと思うのでした。
篠塚かをりさん
1934年 平安北道に生まれる。
幼稚園勤務の傍ら、詩や幼年童話を描く。
1981年没。
安井淡さん
1921年京城生まれ。
「あかいくつ」などの心温まる画風の絵本を描き続ける。
1986年没。