『いつかあなたをわすれても』 桜木紫乃・文 オザワミカ・絵 23x19cm
『いつかあなたをわすれても』
桜木紫乃・文
オザワミカ・絵
「ねえママ
おんなのこと おんなのひとは ちがうの?」
「おんなのこはね だれかにまもってもらうひと
おんなのひとはね じぶんをまもれるひと わかる?」
「もしもいつか あなたを わすれる日がきても
わすれてしまう あれもこれも
みんななかったことでは ないのだから あんしんしてね」
“これは たいせつな たいせつな
わたしたちの じゅんばん“
(本文より抜粋)
いつか…
その“いつか“に、刻一刻、誰もが公平に向かって毎日進んでいる。
大切な人と過ごす今日、大切な人のことを想う今日という一日は、どんなにかけがえのない素晴らしいものなのであろうか。
誰かのことを忘れ、そしてやがてお別れの日が来るまで。
母は子を思い、子はまた母になり、その子の幸せを願う。
“じゅんばん“
という現実的でもあり、温かみもある意味の言葉がキーになっていて、
絆。巡る。なども感じ、静かに心に沁みてきます。