『よるのびょういん』 谷川俊太郎 作 長野重一 写真 福音館書店 20x27cm
『よるのびょういん』
谷川俊太郎 作
長野重一 写真
福音館書店
“よるのびょういんは しずかだ。
けれど そこには ねむらずに
はたらくひとたちがいる。
びょうしつを みまわる かんごふさん、ちかのぼいらーしつで
よどおしおきている ぼいらーまん。“
1979年9月に月刊「こどものとも」より発行された絵本。
昭和の雰囲気、しかし時代が変わっても、
揺るぎなく変わらないものを感じます。
朝からお腹が痛いと言っていた男の子。
夜になって高い熱が出て、
お母さんが119番で救急車を呼ぶところから始まるお話。
全ページ全てモノクロ写真で、
この一夜がドキュメンタリー番組のように感じます。
「…しんぱいないって。でもしんぱいだわ」
「まえから おれが いってたろう、
ぶどうのたねは はきださないと もうちょうになるって」…
男の子、お母さん、そしてお母さんから連絡を受け、
後に慌てて仕事場から病院に駆けつけたお父さん。
家族それぞれの、この日の夜の心情、動向が描かれています。
また、お医者さんや看護婦さんをはじめ、
働く人々の存在の大きさも感じずにはいられません。