『My Child わたしの子』 ヒルデ・ハーゲルップ 作 クリスティン・ローシフト 絵 ひだにれいこ 訳 25x18cm
『My Child わたしの子』
ヒルデ・ハーゲルップ 作
クリスティン・ローシフト 絵
ひだにれいこ 訳
もっと楽しく過ごせたら。
ちゃんとやろうとしてきたのに。
やるべきことは、ぜんぶ。
だけど、きりがない。
わかりにくい言葉を使うことで
あなたの腕を引っ張ることで。
菓子パンや砂糖やガムをあげすぎることで。
あまり公園に連れて行ってあげられないことで。
道端の野イチゴをとっちゃダメということで。
いったいどれだけうばってきたんだろう?
ママにならない方が、よかったんじゃないかって。
前みたいな生活を送りたいと。
世界の中心が 軸が変わったらと。
それがどんな世界かはわからないけど、
たえられないと思った。
目を覚ましたわたしは、もとの自分に戻れないと知る。
かつての自分には、もはや意味はないのだと。
あなたがいるのだから。
おなかの中にいる時みたいね。
あの時わたしはあなたで
あなたはわたしだった。
ふたりの時計がまわりだす前。
すべてがはじまる前。
世界がはじまる前。
人生がはじまる前。
あなたはねむっている。
わたしの子。
“痛みも喜びも抱き締めて“
あなたは今、何を思ってるんだろう。
わたしはいい親になれているのかな。
幼い子との日常を静かに描く、
大人のための絵本。
(本文、帯文より引用しました)