ふまんばかりのメシュカおばさん キャロル・チャップマン さく アーノルド・ローベル え こみやゆう やく 好学社 22x21cm
「ふまんばかりのメシュカおばさん」
キャロル・チャップマン 作
アーノルド・ローベル 絵
こみや ゆう 訳
好学社
あるあさ、メシュカは めをさますと、
てんを みあげて いいました。
「ああ、きょうも このみじめな1にちを たえしのぐ つよさを
あたいに おさずけください!」
そういった しゅんかん
メシュカのしたが ちくっとしました。
なんだか、ふしぎな、ぴりっとした いたみでした。
「なんだろ、いまのは?」
メシュカはよりめにして、じぶんのしたをみてみました。
(本文より)
毎日、自分のこと、息子のこと、嫁に行った娘のこと…
朝から晩まで不満ばかりを言っているメシュカという名のおばさんがいました。
「不満を言う人」という意味の、「クヴェチ」というあだ名がつくほど…。
「ラビ」という人物がこのお話の中にも登場し、ストーリーの流れの中でも影響力のある存在になっています。
ラビとはユダヤ教の指導者なのだそうです。
わが師のような存在でしょうか。
物語の中でも困ったときに解決に導いてくれる存在として描かれています。
「ふまんびょうじゃよ。
めったにおこらんびょうきじゃがな、
いつも ぶつぶつ ふまんばかり こぼしておると、
いったことがすべて ほんとうに なってしまうんじゃ」
…(本文より)とラビのお言葉。
ラビの辛口の中にも優しさもある、いくつかのアドバイスから、
メシュカは“しあわせもの“に変わっていきます。
不満ばかりのメシュカですが、憎めない、どこか可愛らしさもあり。
表紙の絵からもわかる通り、とてもユニークで面白いお話です。