「だんだんおかあさんになっていく」
おーなり由子
PHP研究所

海

…ひるさがり
いのちが　こぼれてしまわないように
ゆるゆるとあるく

わたしのなかに
心臓がふたつ

いま　わたしは
ひとりで
空を見あげながら
ふたりで
さかをのぼっている

（本文より抜粋）

こんなふうに始まる、
作者のおーなり由子さんが、
息子さんがお腹の中にいる時から、
二歳ぐらいの頃までに書いた詩をまとめられた一冊。



全てのお母さんに贈る
花束のような詩集です。




日々

わたしには
わからない
わからないことだらけ

わからないということを
むしゃむしゃと
たべていく

こどもといっしょに
むしゃむしゃとたべていく

こたえなんか　みつからなくても

ばかばかしい話をしながら

ときに泣いたり
地団駄を踏んだりも
しながら
（本文より）