ジャスミン 作・絵 ロジャー・デュボアザン 訳 さがの弥生 童話館出版 26x21cm
“それ” は、小鳥のようなもの ではありませんでした。
“それ”は、おばあちゃんの、そのまたお母さんが おじょうさんのころにはやった、
羽飾りのついた帽子でした。…
「わたし、この帽子、このまま かぶっていることにするわ。
わたしにこんなに似合ってるんですもの。…」
め牛のジャスミンは落ちていた帽子があまりに素敵だったので、
頭に乗せてそのままかぶっていることにします。
「わたしにはわかっているわ。
わたしが、なにをすきで、わたしに なにが似合うかも。」
今まで誰もしなかったこと、
め牛が綺麗な帽子をかぶる こと。
しかし農場の仲間たちは、みんなと違うことをしているジャスミンを
受け入れようとはしません。
「ぼくがいつも言っているように、人それぞれさ。
でも、そうするには 勇気がいる。
ジャスミンには、その勇気があるよ」と
猫のコットンは言います。
ジャスミン。
帽子をかぶっていようと、かぶっていまいと、
自分は自分ということに
信頼を持ちつづけた め牛のお話です。