1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし デミ 作 / さくま ゆみこ 訳 光村教育図書 26x27cm
むかし、インドのある地方に
ひとりの王様がいました。
この王様は自分は賢くて、正しくて、自分が王と呼ばれるのに
ふさわしいと思い込んでいました。
王様はその地方でとれるお米をほとんどあつめ
自分の米ぐらにしまい込んでしまうのでした。
やがて飢饉があり、人々は食べるものにも困ってしまうのですが
王様は集めたお米を独り占めしたままです。
そこで賢い村娘のラーニは、
計画を立てました。
「おこめを、1にち、ひとつぶくださいませ。
30日のあいだ。それぞれ前の日の
倍の数だけお米をいただけませんか?
明日はお米を2つぶ。
あさってはお米を4つぶ、というように。」
王様は、ささやかなものだと言って
ラーニにおこめを一粒くれました。
ラーニは毎日前の日の倍の数だけおこめをもらいました。
おこめは1粒から…やがて30日で全てもらったお米は10億粒以上になりました。
金色が施された綺麗な絵は「インド細密画」を取り入れたものだそうです。
ラーニがもらったお米が、どんなふうに増えていったかの表が
最終ページにわかりやすく載っています。
インドの算数の昔話です。