水おとこのいるところ 作:イーヴォ・ロザーティ 絵:ガブリエル・パチェコ 訳:田中桂子 岩崎書店 26x20cm
だれかが、じゃぐちを あけたままに
して行ったようです。
家のあるじは、帰ってこず、どこへ行ってしまったのか
誰も知りません。
開いたじゃぐちから
出てくる水が溜まって
はねて、すべって、落ちて
とうとう一人の人間が
出来上がりました。
それは、とうめいで、くもりのない
あおく、背の高いおとこでした。
人々におわれながら、さまよう
水おとこは
自分の居場所を見つけることが
できるのでしょうか。