つきとうばん 作・藤田 雅矢 / 絵・梅田 俊作 / 教育画劇 26×22cm
ゆうびんやさんが、
とうさんにそっと はこを
わたしました。
「とうさん、これは なんなの」
とぼくがきくと
「ことしは、うちが とうばんなのさ」
そういって、とうさんは
ふふふと わらいました。
はこのなかには
しろい たまと、
すなつぶの ようなものが
はいっていました。
(本文より)
草の香りが春を運んできた頃、
父さんは地面を耕し
箱の中のたねをまきました。
やがて、月と星が土の中から芽を出し
夜になると葉っぱはうっすらと光を放ちました。
空には、まだ月も星もなくて真っ暗でした。
とうさんと一緒に、
月のたねをまいた
星の実をたべた
一年に一度、どこかの家に回ってくる
「つきとうばん」
月のひかりに優しく包まれる一冊です。
写真11枚目に作者の紹介をあとがきより掲載いたしました。