あたしゆきおんな 富安陽子・文 飯野和好・絵 童心社 27x 20cm
『あたしゆきおんな』
富安陽子・文
飯野和好・絵
童心社
「ぶる ぶる ぶる。こんやは やけに ひえるねえ」
「おうい。もっと ひを たけ。たきぎを くべろ」
「おっかしいなあ。 ちっとも あったかく ならないぞ」
(本文より)
月も星も見えない、真っ暗な夜。
雪女は闇の向こうに
小さな光を見つける。
人間の家の明かりに吸い寄せられるように
光の方へ、ゆっくりと歩いていく。
人間たちを凍えさせ
雪女はまたひとり、山へ帰っていく。
季節が過ぎ、
雪女はある朝、白い世界の中に、
真っ赤な花を見つけ…。